プレスリリース 例文4選:そのまま使える型と書き方
要約
良いプレスリリースは、見出しでニュースを言い切り、冒頭段落で誰が何をいつ発表したかに答え、検証できる引用を一つ添えます。本記事では製品発表、資金調達、イベント告知、提携の4種類の例文を用意しました。記者の86%は取材の一部がPRの売り込みから始まると答えていますが、88%は担当分野から外れた売り込みをすぐに削除しています。AIアシスタントは下書き、見出しの案出し、言い換えに役立ちますが、ニュースの切り口、実際の引用、確認済みの数字は自分で用意してください。
プレスリリース 例文を探すとき、たいてい締め切りはすでに近づいています。ニュースはあるのに白紙の画面の前で一時間が過ぎてしまう。その状況を抜ける最短の方法は、自分の発表内容に近い例文を見つけ、骨組みをなぞり、中身だけを自社の事実に置き換えることです。本記事では製品発表、資金調達、イベント告知、提携の4種類の例文を掲載し、それぞれの構成と、AIアシスタントが役立つ場面と邪魔になる場面を整理します。
良いプレスリリース例文に共通する要素は何か
名前を消して十数件のリリースを並べると、どれも同じ形に見えます。見出しでニュースを言い切る。日付と発表地を示す。冒頭段落で、誰が何を、いつ、どこで、なぜ発表したかに答える。引用を一つか二つ入れる。短い会社概要を添える。連絡先を書く。
PR Newswireのテンプレートガイドも同じ部品を挙げ、見出しは100文字未満に収めるよう勧めています。ただし100文字は上限であって目標ではありません。実際に読まれるリリースの見出しは、おおむね70文字前後です。
使われるリリースと削除されるリリースの差は、形式ではありません。中身のニュースです。この点は記者に関する次のセクションで改めて扱います。

プレスリリース例文4選:そのまま使える型
以下はそれぞれ、架空の企業のための短い骨組みです。事実を置き換え、順番は保ってください。
例1:製品リリース
製品発表は最も一般的な形式ですが、間違えやすいものでもあります。どの会社も自社の機能こそがニュースだと考えてしまうからです。作ったものではなく、顧客が新しくできることから書き始めてください。
Fieldnote、オフラインモードを追加 電波のない現場でも点検記録が可能に
【東京】2026年10月8日 Fieldnote(モバイル点検アプリ、1,200の保守チームが利用)は本日、オフラインモードの提供を開始したと発表しました。技術者は地下、トンネル、郊外の現場でも点検フォームを記入して署名でき、通信が戻ると自動的に同期されます。
「お客様から、紙に書いた結果を夜に打ち直しているという声を何度も聞きました」と、Fieldnoteでプロダクト責任者を務める佐藤彩花は話します。「オフラインモードで、打ち直しの作業がなくなります。」
オフラインモードは本日より、有料プランすべてで追加料金なしにご利用いただけます。紙からの移行を検討しているチーム向けに、3ページのセットアップガイドも公開しました。
Fieldnoteについて: Fieldnoteは施設・保守チーム向けの点検ソフトウェアを提供しています。2021年の設立で、本社は東京にあります。
「革新的」「最先端」「発表できることを嬉しく思います」といった言葉がないことに注目してください。二文目で利点を、三文目で裏付け(実際の利用シーンと実際の価格)を示しています。Fieldnoteは本記事のために作った架空の企業なので、自社の事実に置き換えてください。
軽微なアップデートなら、この形式は使わないでください。バグ修正や色の変更は変更履歴に書く内容で、プレスリリースにする必要はありません。
例2:資金調達の発表
資金調達のリリースは、より厳密な順番に従います。記者はまず三つの点を探すからです。金額、リード投資家、そしてその資金の使い道です。
Fieldnote、$4.5 millionのシードラウンドを実施 小規模な保守会社向けに注力
【東京】2026年10月8日 Fieldnoteは本日、Northgate Capitalがリードし、2名のエンジェル投資家が参加する$4.5 millionのシードラウンドを完了したと発表しました。調達した資金は、エンジニア6名の採用と、従業員50名未満の企業を対象とするサポート窓口の開設に充てます。
今回の資金調達は、1年の間にアクティブなチームが300から1,200に増えたことを受けたものです。
「小規模な会社は、点検ツールの整備がいつも最後まわしにされてきました。そのギャップを私たちは埋めにいきます」と佐藤は話します。
ここで説得力を持つのは成長の数字です。読者が自分で確認できる数字を一つ示すほうが、構想を語る段落を三つ並べるより効果があります。
リード投資家と資金の使い道を名前で言えるなら、この形式が役立ちます。金額が書けない場合は見送ってください。金額のない資金調達の記事は、噂のように見えてしまいます。
例3:イベント告知
イベントのリリースは、段取りの情報がすべてです。読者は五秒で、参加するか記者を派遣するかを判断できなければなりません。
Fieldnote、10月22日に東京で紙の点検表からの移行をテーマにした無料ワークショップを開催
【東京】2026年10月8日 Fieldnoteは10月22日の午前10時より、東京都内の会場で無料の2時間ワークショップを開催します。紙のチェックリストから、監査履歴を失わずにデジタルフォームへ移行する方法を扱います。
施設管理者3名が、置き換えたチェックリストと、そこで犯した失敗を紹介します。定員は60名です。申し込みはイベントページから受け付けており、取材を希望される方は無料の入場パスを申し込めます。
日時、場所、料金は第一段落に入っています。記者が日付を探すためにスクロールしなければならないなら、そのリリースは失敗です。

例4:提携の発表
提携のリリースは、ほかのどの形式よりも失敗しやすいものです。二社が「協業します」と言うだけでは、ニュースになりません。提携がニュースになるのは、顧客が先週は手に入らなかったものを手に入れられるようになったときです。
Fieldnoteと Harbourline、点検結果から修理指示までを1クリックでつなぐ連携を開始
【東京】2026年10月8日 Fieldnoteと保守スケジュール管理プラットフォームのHarbourlineは本日、点検で不合格になった項目を修理指示へ自動的に変換する連携を開始しました。共通の顧客は、二つのシステムの間で点検結果を写し直す必要がなくなります。
Harbourlineによると、先行利用者は不合格の点検から修理の予定が決まるまでの時間を、数日からその日の午後にまで短縮したといいます。
二段落目を見てください。変化前と変化後の両方が書かれています。この一文が書けないなら、提携のリリースはまだ完成していません。ロゴを差し替えただけの文章になっています。
記者はなぜ多くのリリースを無視するのか
理由は関連性です。Muck RackのState of Journalism 2026レポートでは、約1,100人のジャーナリストのうち86%が、記事の少なくとも一部はPRの売り込みから始まったと答えています。一方で88%は、担当分野から外れた売り込みをすぐに削除すると答えました。どちらも同時に成り立つ事実です。
これは次にやることのリストとして読んでください。整った書式のリリースでも、届け先を間違えれば読まれません。書式が乱れている場合と同じ理由です。
3つの習慣で、ほとんどの問題は解決します。
先月そのテーマを取り上げた記者5名に送る。500名のリストには送らない。
メール本文に、なぜこの記者に、なぜ今なのかを書いた2文の売り込みを入れる。
具体的な素材を一つ添える。データ表、顧客名、写真など。
配信サービスは、ターゲティングが合ってから役立ちます。Cisionのようなサービスではメディアリストやモニタリングを使えますが、ニュースのないリリースを直すことはできません。
AIアシスタントはどこで本当に役立つのか
私の使い分けを示します。AIアシスタントは型に沿った部分が得意で、読者が関心を持つかどうかを決める部分は苦手です。
役立つのは次の場面です。
メモから最初の下書きを作る。 事実を貼り付け、本記事の例文の構成を指定すると、白紙から始めるより数分で編集できる文章が出てきます。
見出しを絞り込む。 80文字以内の案を10個出してもらい、一つを選んで自分の言葉で書き直します。
派生文を作る。 一つのリリースから、短い売り込みメール、LinkedInの投稿、ニュースレター用の文章を作れます。
水増し表現を見つける。 事実を伴わない形容詞をすべて指摘させます。
AIにできないのは、ニュースの切り口、引用、顧客名の用意です。これらは自分で用意する必要があります。モデルは、実在しない製品責任者のもっともらしい引用を平気で作ります。その文章を記者の手元に届かせてはいけません。

1回限りのリリースなら、一般的なチャット型AIで十分です。毎月何本も書くなら、執筆アプリに組み込まれたツールのほうがコピー&ペーストの手間を省けます。
Grammarlyは Gmail と Google ドキュメントの中で動くため、事実が固まった後のトーンと誤字の最終チェックに向いています。
Jasperは、ブランドボイスの設定やテンプレートを複数の担当者で共有したいマーケティングチーム向けです。月額料金に見合うかどうかは、何人がリリースを書くかによります。
AIに何を渡せば使える下書きになるのか
弱い下書きの多くは、弱い入力から生まれます。次の五つを渡せば、AIは推測をやめます。
ニュースを一文で、平易な言葉で。
検証できる事実を二つか三つ。数字、日付、価格など。
読者層。例えば「施設管理を扱う業界紙の記者」。
既にある実際の引用。一字一句そのままの形で。
本記事の例文のうち合う形式。例えば「資金調達のリリース、300字程度、冒頭に発表地と日付」。
そのうえで下書きを読み、一つの問いで確認します。記者が確認できないことは何か。それを削除するか、出典を付けてください。
目安として、指示出しに約5分、編集に約10分です。下書きを全部書き直す必要があるなら、問題はツールではなくニュースの側にあります。
送る前に何を削るべきか
どのリリースにも、会社を大きく見せるためだけの数行があります。削ってください。
裏付けのない形容詞。「業界をリードする」「革新的な」「世界最高水準の」など。
最初の引用と内容が重複する二つ目の引用。
ニュースの段落より長い背景の段落。
80文字を超える会社概要。
そのうえで基本を確認します。日付は合っているか。すべての数字に出典があるか。担当者はメールに返信するか。リリースは添付ファイルだけで送らず、メール本文に入れてください。面識のない相手からのファイルは、開かれないことも多いからです。
リリースの長さはどのくらいか、よくある間違いは何か
プレスリリースの長さはどのくらいか
A4一枚程度です。リリース本文は300から400字程度とし、ニュースが本当に必要とする場合にのみ500字まで広げてください。上の四つの例文は、骨組みだけなので100から150字ほどの短い文章です。実際のリリースには、あなたにしか持っていない詳細、つまり顧客名、料金表、パイロット結果などを加えます。
500字を超えているなら、二つの話を書いている可能性が高いです。分けてください。資金調達と新製品と採用を一本にまとめたリリースは、記者に読み飛ばす理由を三つ与え、引用する理由は一つも与えません。
段落は短く、三文までにします。記者は段落をほぼそのまま引用することが多いので、各段落は前の段落がなくても意味が通るように書いてください。
よくある書式の失敗は何か
小規模なチームから届くリリースを見直すと、同じ失敗が何度も出てきます。
ニュースを埋もれさせる。 一段落目が会社のミッションの話で、発表内容は三段落目から始まっている。
スローガンのような見出し。 「点検の再定義」では読者に何も伝わりません。「Fieldnote、オフラインモードを追加」なら伝わります。
発表地や日付がない。 地名も日付もないリリースは、使い回しに見えます。
誰も言いそうにない引用。 「当社の強力なソリューションを活用し、大変喜んでおります」は話し言葉ではありません。引用は声に出して読んでください。パンフレットのように聞こえたら、発言者が本当に信じていることに書き換えるか、削除します。
どれもツールで直すものではありません。注意深く一度読むこと、できれば下書きを書いていない人に読んでもらうことで解決します。
どの例文から試すべきか
ニュースに形式を合わせてください。顧客が使える製品を出すなら例1。資金を調達したなら例2。日程を押さえてほしいイベントなら例3。顧客にとっての利点が明確な共同発表なら例4。どれにも当てはまらないなら、プレスリリースではなくブログ記事として公開するほうが適しています。
見出しは最後に書き、リリースは一枚に収め、思っているよりも少ない人数に送ってください。